「杉を知っていますか」と聞かれてあなたはどう答えますか。
国産建材においては今も昔も、他を引き離して圧倒的な割合を占める杉。一昔前までは大工に限らず、一般の施主や生活者でさえ森でスギ、ヒノキ、サワラを見分け、それぞれの木が持っている特徴〈軽いのか重いのか、硬いのか柔らかいのか、釘はきくのか、鉋はかかるのか〉を語る事が出来ました。では今私たちが杉を「知っている」というその中身はなんでしょうか。森で迷うことなく杉を指さし、その特徴や活かし方を一つでも挙げることができるでしょうか。
これは建材や建築に限ったことではなく、食品、衣料、車、家電、ケータイなど、私たちの生活に不可欠なものの殆どが、その中身や仕組み、どこで誰にどう作られたかについてもブラックボックス化しているのが現状です。
勿論そんな複雑で煩わしい事の封は閉じたまま、その恩恵だけを受けることは可能ですしその方が一般的です。でもそこにそこはかとない不安を感じたり、少しでも自分の行動や暮らしに根をはったところを感じたいという方々の為に、住まいをつくるというものづくりに関って来た私なりに、「知っている」の中身を満たしていくようなお話をさせて頂こうと思います。
森に身を置き、周りの木々を眺めながら今一度「住まい」の始まりを紐解いてみましょう。
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内 容| 在来大工による「木」のはなし
時 間|11:00-
料 金|無料
体験定員|10名
田中 隆義
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1959年生まれ
現在は小林綾子と二人で(有)海岸屋ふーと言う名前の設計事務所と工務店を運営。
日本の建築の伝統的な技術を芯にして、そこに住む人に寄り添える住まいを作るために修行をしています。