この過去から私たちは何を学ぶべきなのか。いや、何かを学ばなければ、これらの負の遺産は解消されぬまま未来に引き継がれ、さらにそこにこれから私たちが作るものさえも積み上げられ未来の子供たちにとって高い壁となり立ちはだかります。
(一度栄養の過不足や偏りで体調を崩せば、生活習慣を振り返り原因を探り、改善に努めるように、森との関わりの中でも過去から学びその関わり方を、私たちの「在り方」を見つめ直すのが自然な事ではないでしょうか。)
私たちがコンセプトとして掲げる「環境のつくりなおし」は、私たちと森との「間(ま)」のつくりなおしです。間の取り方次第で人間は自然にとって薬にも毒にもなり得る。それを過去から、そして自然から学びながら、今一度、私たちにとっても森にとっても丁度良い間を、心地良い関係を撚り直したい。
その一つの手段として私たちはこの森を一つの体に準えます。その体の中で私たちがどんな役割果たし、日常を送ることが滞りを解消し、隅々まで酸素と栄養を届け、健全な代謝を促すことができるのか、それを常に意識しながら日々活動を続けています。この結果が見えるのは早くて数十年、もしかしたら百年単位の話かもしれない。でも足を運んでくれた誰かがここで心地よさや美しさを感じてくれたならそれは何かが巡り始めた兆しかも知れません。
自然は明確な答えを見せてくれはしない。ホントにホントの事は、いつまでたっても分からない。だから私たちは自然が見せてくれる面白さ、心地良さ、美しさを頼りにこれからも森と、自然と向き合うのです。
私たちのこのつくりなおしが、日常の撚り直しが、未来の子供たちにとっての糧になることを願って。